プロフィール

これまでに数千人の方をみおくり、たくさんの意思決定支援に関わってきました。
患者さん自身が選択できない状態で、ご家族や代理の方が決断を迫られる場面も、数えきれないほどありました。
点滴、栄養チューブ、人工呼吸器。
それらの治療を受けるために、手足を拘束される姿も何度も目にしてきました。
ベッドに横たわり、目を開けていても天井の模様しか見えない日々。
──この状況を、本人は本当に望んでいたのだろうか?
そんな疑問を抱き続けてきました。

命に対する価値観は、人それぞれです。

  • 苦痛や障害があっても、「心臓が動いている=生きていること」に意味を見出す人
  • 一方で、「目を覚ますことも、大切な人と笑い合うこともできない」状態なら、生きる意味はないと感じる人

どちらが正しいわけでもありません。
ただ、自分の価値観を、大切な人とあらかじめ共有しておくことで、悔いや迷いを減らすことができる。
僕は、そう思うようになりました。

2018年、研修会で「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」=人生会議を知りました。
自分でも実践し、家族とも「もしも僕に何かあったら」と話をしました。
毎日、仕事の帰り道に「今日、自分の人生が終わったらどう思うか」──そんな問いを自分に投げかけるようになりました。

中間管理職として働き始め、思うようにいかないことが続きました。
自分を責め続け、心身を壊し、休職も経験しました。
精神科の先生、心理師さん、そして家族や友達に支えられて、なんとか立ち直ることができました。

その過程で気づいたのは、
「いつか訪れるかもしれない万が一に備えることも大切だけれど、それ以上に、生きている今が大事」ということでした。

ようやく言葉にできた、僕の夢。
それは、
『家族を大事に、ACP「人生会議」を世の中のスタンダードにする』

僕には3人の娘がいます。
娘たちが学び、成長していく時間を、妻と力を合わせて、精一杯応援したい。
この願いを大切にしながら、ACPの普及活動を続けていきたいと思っています。

僕は心も体も壊れた経験があります。
職場でうまく立ち振る舞えず、自分を責め、ポッキリ折れたこともあります。
だからこそ、今、生きることに迷いやつらさを抱えている人に、少しでも力になりたい。

そんな思いを込めて、ここに言葉を届けます。

知ってみようよ ACP♪ やってみようよ 人生会議♪