エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座に参加して 2024.7.7

エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座に参加して

ネム蔵のメンターの一人である、ACPiece研修会で出会った「北海道の石ちゃん」のすすめで、エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座に参加させていただきました。

僕には悩みがあります。その一つ、「ネム蔵は話が長い!」と言われること。傾聴の大切さを知ってはいるものの、なかなか実践できない自分がいるのです。そこで、今回は相手の話をしっかりと聞くためのスキル、「反復と沈黙」の修行をしようと思い、参加を決めました。

小澤竹俊先生はネム蔵の好きな番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも出演されたことがあります。

小澤先生の紹介出典元:https://www.nhk.or.jp/professional/2017/0306/index.html

この講座は、4000人もの方を看取ってこられた小澤竹俊先生が進行されます。死を前にした患者やその家族への関わり方を、医療従事者や一般の人々に丁寧に伝える内容です。終末期ケアと聞くと「重い話」と思われるかもしれませんが、小澤先生の講座はまるでエンターテインメントのように引き込まれます。たとえば、小澤先生のたとえ話の豊富さや、全国各地のエピソードの披露には驚かされました。時には、先生自らが歌まで歌ってくださるのです!

この講座では、ただ小澤先生の話を聞くだけでなく、グループに分かれて実際に「反復と沈黙」を意識しながらロールプレイも行います。1日を通して、相手の思いをじっくり聞かせてもらい、自分の価値観も言葉にして伝える。このような濃密な1日を過ごすことができました。脳ミソから汗が出る感じです。

講座を通じて感じたこと

終末期の患者には、感情や不安、恐れを表現する機会が必要です。ただアドバイスをするのではなく、共感的に寄り添うことが求められています。そのためには「反復と沈黙」が非常に重要であり、僕自身もまだまだ修行が必要だと感じました。

また、患者の価値観や残された時間をどう過ごしたいかを尊重する姿勢も求められます。僕は20年以上看護の仕事に携わってきましたが、自分の経験則だけに頼るのではなく、その方その方に合わせた応援ができるよう、日々の仕事の中で考えながら行動することの大切さを再認識しました。

「死を前にした人が穏やかに過ごせるようにサポートすること」が、医療従事者の使命だと感じます。そして、それは患者だけでなく、そのご家族にも同様です。今回の講座でのキーワードである「支え」。自分が一人の看護師として支えになるのは難しいですが、「支えを築く手助け」ならできる。そんな自分の役割を見つけたいと思います。ネム蔵、まだまだ頑張るぞ!

「分かった気にならない」

              イラスト:iiiustACより

小澤先生は、医療技術にとどまらず、温かい人間関係が終末期ケアの要であることを強調されました。僕もその思いを胸に、「今、この瞬間を後悔しないように」と心がけてはいますが、すぐに気持ちが揺らぐこともあります。それでも、自分にエールを送りながら進んでいきます。小澤先生の講座や、北海道の石ちゃんの「分かった気にならない」という言葉を心に留め、看護の仕事に取り組んでいきたいと思います。

               イラスト提供:杉野画伯

講座を通じて、小澤先生はじめ、年齢も背景も様々な参加者の皆さん、そしてサポートしてくださったスタッフの方々と貴重な交流ができました。学び多き時間をありがとうございました。


           

こんな感じで、反復と沈黙のスキルを磨きながら、これからもネム蔵なりの終末期ケアに向き合っていきます。

        

小澤竹俊先生にテキストの書籍にサインをいただきました。このテキストも僕の支えになってくれそうです。

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この記事を書いた人

看護師の仕事をしてきました。「家族を大事に、ACP:人生会議を世の中のスタンダードにする」という夢を見つけました。失敗しながらも、まずは「ACP:人生会議」を知ってもらうための活動をしています。

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