どうして長崎五島列島?どうしてバラモンキング?
感謝の気持ちに気づく瞬間
「ありがとう」と感謝されることは、実に喜びを感じる瞬間です。しかし、さらに幸せを感じるのは、自分が「ありがとう」と感謝させてもらえる相手がいることに気づく時です。
僕がこのような思いを抱けるのは、多くの方々とのご縁のおかげです。
今日は、僕が「父ちゃん」と呼んでいた先輩、コンちゃんとの思い出をお話しさせてください。
感謝と気づき
20歳で初めて社会人になりました。食品卸の会社に就職した時、コンちゃんという先輩にお世話になりました。彼とは親子ほど年齢が離れていましたが、彼の存在が私の人生に大きな影響を与えました。
当初、僕は入社そうそう「3年で退社する予定です」と公言し、社内で孤立していました。しかし、そんな僕を見かねたコンちゃんが、一部の職員や顧客との海遊びに誘ってくれたのです。このきっかけで、仕事以外の会話を社員たちとするようになり、次第に社内に馴染むことができました。
コンちゃんとの日々
コンちゃんは公私ともに本当にお世話になりました。元板前で鮮魚担当ということもあり、料理が得意で、よくご馳走してくれました。奥さんと2人で温かく迎えてくれ、心地よい時間を過ごさせてもらいました。僕は3年で退職し、看護師を目指すことになりましたが、会社を去ってからもコンちゃんはずっと応援してくれました。
看護師になってからも、コンちゃんは私の悩みや苦労を親身になって聞いてくれました。コンちゃん宅で停めていただいた翌朝、コンちゃん手作りキビナゴの干物と卵焼き、愛情いっぱいの朝ごはんを泣きながら食べたのを思い出します。
別れと再会
コンちゃんは定年退職後、故郷の長崎の五島列島に戻られました。その後も時々連絡を取り合い、五島列島で開催されるトライアスロン大会「バラモンキング」に出場するよう励まされました。ボランティアTシャツが2枚あります。1枚は昨年自身がボランティアスタッフをさせていただいたとき、もう一枚はコンちゃんから頂き物です。冷蔵庫のそうじと言っては時々、五島列島でとれた魚や干物を送ってくれた中に入っていました。お礼の連絡をすると、
「ネム蔵、五島列島でトライアスロンがあるから、お前出ろ。俺んちに泊ればいい。何人でも仲間を連れてこい」
そう言ってくれたのを覚えています。
僕はバラモンキングを目標に向かって練習していましたが、2022年8月から突然連絡が途絶えてしまいました。
いろいろな手段で彼を探しましたが、結局、コンちゃんは2022年6月に亡くなられていたことが判明しました。直接お礼を伝えることは叶いませんでしたが、彼の兄弟と連絡を取ることができ、彼の墓前で感謝の気持ちを伝えることができました。
五島列島の旅
2023年6月、僕はバラモンキングに参加する予定で五島列島に来たかったのですが、それはコンちゃんのお墓参りの旅になりました。彼のお兄さんや地域の方々の協力のおかげで、無事にお墓参りを済ませることができました。
最後に
コンちゃんに直接感謝の気持ちを伝えることはできませんでしたが、彼の存在が私の人生に与えた影響は計り知れません。今を大切に生きることの大切さを改めて感じさせてもらった五島列島の旅でした。
2024年は、バラモンキングに選手として参加できるように、心身ともに準備を整えていきます。
コンちゃんの作品
浜辺で貝殻を集めてきて、かわいいものを作って娘たちに送ってくれました。
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