2021年7月から使い始めた、ガーミンのスマートウォッチ。
50メートル防水のこの時計を、充電するとき以外は、ほとんど身に付けてきた。
入浴するときには、風呂場で自分の体を洗うのと同じように、時計も毎日きれいに洗い流していた。
どんなときも一緒。
まさに、愛用の時計だった。
突然の別れ
昨日、プールで泳ぐ前に、バッテリー残量が33%あることを確認していた。
泳ぎ終わり、距離を確認しようと時計を見ると、画面が真っ黒なまま。
電源が入らない。
充電しながら、何度も何度も電源を入れようと試してみたけれど、まったく動く気配がない。
あれこれ触っているうちに、まさかの事態が起きた。
時計の液晶画面が、プラ〜ン……。
とにかく驚いた。
こんな壊れ方をするなんて、思ってもいなかった。

2年以上悩んで購入した時計

以前の僕だったら、愛用していた時計が壊れてしまったら、きっとすごく落ち込んでいただろう。
実は、このガーミンのスマートウォッチを購入するまで、2年以上も悩んでいた。
僕にとっては高額な時計だった。
トライアスロンを再開していたものの、当時は心拍計を持っていたし、12時間を超えるような大会にも、まだ出場したことがなかった。
「今の自分に、ここまでの時計が必要なのだろうか?」
「自分には、もったいないんじゃないか?」
そんな思いがあって、なかなか購入に踏み切れなかった。
ところが、使っていた心拍計のセンサーを交換しなければならない状況になった。
そこで、思い切って購入を決めた。
清水の舞台から飛び降りるような気持ち。
少し大げさかもしれないけれど、5年前の僕は、そんな気持ちでこの時計を手にしたことを覚えている。
それからというもの、毎日のように肌身離さず身に付けてきた。
トライアスロンの練習や大会はもちろん、普段の生活でも一緒だった。
今では、単なる時計というよりも、僕の生活を支えてくれる相棒のような存在になっていた。
そんな思い入れのある時計が、見たこともない姿になってしまった。
さぞかし肩を落とすだろうと思っていた。
ところが、不思議なことに、僕の心は少し違っていた。
もちろん、壊れたことを喜んでいるわけではない。
大切なものだからこそ、思うことがあった。
長良川ミドルトライアスロン102秋を振り返る

ふと思い出したのが、先日参加した長良川ミドルトライアスロン102秋のことだった。
今回の大会では、自分らしく競技に参加することができた。
自分のペースでレースを楽しみ、無事にゴールすることができた。
大会が終わったあとも、筋肉痛はあったけれど、それ以外に気になる痛みは残らなかった。
もちろん、ガーミンがあったからすべてがうまくいったわけではない。
それでも、今回のレースを支えてくれた大切なアイテムだったことは間違いない。
特に、スイムからバイクへ移るときのことを思い出す。
水泳を無事に終え、陸に上がる。
まずは、スイムを終えられたという達成感。
そして、まだまだ体力が残っているという感覚。
これは僕だけではなく、ほかの選手も同じだろう。
バイクに乗り始めると、
「よし、行くぜー!!」
と、気持ちのスイッチが入りやすい。
でも、ちょっと待ってほしい。
大会全体から考えると、まだ序盤。
80キロのバイクを走り、そのあとには20キロのランニングが待っている。
ここで頑張りすぎてしまえば、ゴールはどんどん遠くなってしまう。
だからこそ、僕はガーミンで心拍数を確認していた。
自分がオーバーペースになっていないか。
知らず知らずのうちに、頑張りすぎていないか。
時計に表示される心拍数は、自分の状態を客観的に確認するための目印になってくれた。
バイク競技では、風の影響も受ける。
向かい風の中で頑張りすぎていないか。
同じようにペダルを回していても、体にはどれくらい負担がかかっているのか。
スピードだけを見ていては、わからないことがある。
心拍数の変化を確認することで、足を使いすぎていないか、自分の体に無理をさせていないかを考えることができた。
時計は、ただ時間や距離を教えてくれるだけではなかった。
自分の体の変化に気づき、体の声を聞くための、大切な材料になっていたのだ。
今回の大会を、自分らしく楽しみながらゴールできた。
そう振り返ったとき、ふと思った。
この時計にも、たくさん支えてもらっていたんだな。
そう考えると、感謝の気持ちがあふれてきた。
今、壊れてしまうと困るんだけどな……

正直に言うと、今、ガーミンが使えなくなってしまったことには困っている。
最近、フリースタイルリブレを使って血糖値の変動を確認しながら、食事のスクリーニングに取り組んでいる。
食事の内容やタイミングによって、血糖値がどのように変化するのか。
自分の体の反応を観察しながら、食生活を振り返っているところだ。
その中で、睡眠や活動の記録を確認できるガーミンは、自分の生活を振り返るための大切なアイテムになっていた。
これからも記録を続けていきたいと思っていたタイミングだっただけに、使えなくなってしまったことは残念だ。
一方で、先日参加した長良川ミドルトライアスロン102秋のことを思い返すと、違う気持ちも湧いてきた。
もし、あの大会のスイム中に壊れていたら……。
スイムを終えてバイクに移ると、陸風や海風の影響を受けながら走ることになる。
風の変化によって体にかかる負担も変わるため、心拍数を確認しながら、自分のペースを調整することが大切だった。
もし大会の途中で時計が使えなくなっていたら、あの風の変化に、自分がどこまで対応できていたかはわからない。
そう考えると、今回、時計が壊れたのが大会のあとでよかった。
「競技中じゃなくてよかった。最後まで頑張ってくれて、ありがとう」
そんな気持ちになった。
もちろん、時計が壊れてしまったことは残念だし、今の自分にとっても必要なものだから、困っていることに変わりはない。
それでも、大切な場面を支えてくれたことを思い返すと、感謝の気持ちが湧いてくる。
困った気持ちと、ありがとうという気持ち。
どちらも、今の僕の正直な気持ちだ。
壊れた時計が教えてくれたこと

これまでの僕だったら、大切なものが壊れたとき、失ったことばかりに目を向けていたのかもしれない。
でも今回は、少し違った。
壊れてしまったことは残念だ。
できることなら、これからも使い続けたかった。
それでも、時計が使えなくなったことで、これまで自分がどれだけ支えてもらっていたのかを、改めて振り返ることができた。
そして、気づいたことがある。
壊れてしまったことは残念だけれど、それ以上に、これまで一緒に過ごしてきた時間への感謝が湧いてきた。
この数年間で、自分のものの見方も少しずつ変わってきたのかもしれない。
以前なら、失ったものに目を向けていた。
でも今は、そのものが自分に与えてくれたものにも、目を向けられるようになった。
そんな自分の変化に気づくことができた。
ガーミンが壊れた日。
思いがけず、自分自身の変化を振り返る一日になった。
そんなとき、出会った動画
ちょうど、そんなことを感じていたときに、この動画と出会った。
何か通じるものがあるように感じたので、こちらも紹介させていただきます。
よろしければ、ご覧ください。
ひすいこたろうさんのYouTubeチャンネル『名言セラピー』の人気企画「BAR名言セラピー」に、開運マスターとして知られる櫻庭露樹(さくらば つゆき)大王との動画です
ありがとう、僕の相棒

壊れてしまったガーミンのスマートウォッチ。
僕にとっては、トライアスロンの競技だけでなく、毎日の睡眠の質を改善するための取り組みにも欠かせないアイテムになっていた。
メーカーに問い合わせてみたけれど、修理対応期間が終了しており、修理はできないとのことだった。
そこで、妻に相談し、後継モデルを購入することにした。
これからは、新しい時計と一緒に、また毎日の生活を楽しんでいこうと思う。
今まで使っていたガーミンからは、ベルトなど、まだ使えるパーツを外して、大切に保管しておこうと思う。
5年間、僕の生活を支えてくれた相棒。
トライアスロンの練習も、大会も、毎日の睡眠の記録も。
今までありがとう。
イラスト:ネム蔵 × 杉野画伯 × ChatGPT(AI生成)

